「一般問題はそこそこ取れたのに、必修で足りなくて落ちた」――
国家試験で毎年くり返される、いちばんもったいない不合格パターンです。
必修問題は、合格ラインが80%と高く設定された“落とせない関門”。この記事では、なぜ必修でつまずく人が多いのか、そして失点を防ぐために何をすればいいかを、先輩が後輩に教えるつもりで具体的にまとめます。
この記事は国家試験の全体像をまとめたガイド(※ピラー記事)の一部です。試験日程や全科目の概要から知りたい人は、先にそちらを読むと流れがつかめます。
必修問題とは ― 「80%ボーダー」の怖さ
柔道整復師国家試験は、大きく必修問題と一般問題に分かれています。
| 区分 | 問題数 | 合格基準 | 必要点の目安 |
|---|---|---|---|
| 必修問題 | 50問 | 総得点の 80%以上 | 40点以上 |
| 一般問題 | 200問 | 総得点の 60%以上 | 120点以上 |
ここで一番大事なのは、両方の基準を同時に満たさないと合格できないということ。
一般問題で高得点を取っても、必修が39点以下なら不合格。逆に必修が完璧でも、一般が足りなければやはり不合格です。
そして必修のボーダーは80%=50問中40問。落とせるのは、たった10問です。基礎的な問題が中心とはいえ、この「余裕のなさ」が必修をシビアにしています。
💬 編集部の体感
一般問題が合格点に届かないときは、実力不足による部分が大きいと感じます。一方で必修問題は、どれだけ優秀な人でも、出題内容や当日の状況によって落としてしまう可能性がある——だからこそ、必修は“油断せず備える”ことが何より大切です。
⚠️ 合格基準点は、その年の問題の難易度などにより調整される場合があります。最終的な基準は毎年の公式発表で確認してください。
なぜ「必修で落ちる」が起きるのか
実力不足というより、油断と対策不足で失点するケースが目立ちます。
- 「基礎だから後回し」にしてしまう 必修は基礎的な内容が多いぶん、「直前で何とかなる」と思われがち。ところが基礎ほど取りこぼしが許されず、後回しにすると本番で詰めの甘さが出ます。
- ケアレスミスの比重が大きい 10問しか落とせない以上、うっかりミス1つの重みが一般問題より大きくなります。
- 頻出テーマの取りこぼし 関係法規や衛生・公衆衛生など、範囲が限られていて暗記でカバーしやすい分野を“捨て科目”にしてしまう。
つまり必修は、「知らなかった」より「詰めが甘かった」で落ちる試験。裏を返せば、対策しだいで確実に底上げできる領域でもあります。
必修で落ちないための具体策
① 必修を「独立した1科目」として対策する
一般問題の勉強のついで、ではなく、必修専用の対策時間を確保しましょう。過去問にも必修パートがあるので、必修だけを通しで解く日を作ると弱点が見えやすくなります。
② 暗記でカバーしやすい分野を取り切る
関係法規・衛生学・公衆衛生学などは、覚えた分だけ得点に結びつきやすい分野です。範囲も比較的限られているぶん得点効率が高く、ここを安定させるだけで必修の土台ができます。
③ 「8割で安心」しない ― 目標は9割
ボーダーぴったりの80%を目標にすると、本番の緊張やケアレスミスで割り込むリスクが上がります。普段の演習では9割(45点)前後を一つの目安に置くと、安全マージンを作りやすくなります。
④ 直前期は必修の“取りこぼし潰し”に回す
直前の総仕上げでは、新しいことより間違えた必修問題の復習を優先。「あと数問」を確実に拾う作業が、合否を分けます。
👉 過去問の具体的な周回のしかたは 過去問の使い方・周回法でくわしく解説します。
まとめ ― 必修は「落とさない」が合言葉
- 必修問題は 50問・80%以上(40点)が合格ライン。落とせるのは10問だけ
- 必修・一般は両方クリアが必須。一般が良くても必修で割れば不合格
- 失点の多くは実力不足ではなく油断とケアレスミス
- 対策は「必修を独立対策」「暗記分野を取り切る」「目標9割」「直前は取りこぼし潰し」
一般問題が“点を稼ぐ”試験なら、必修は“落とさない”試験。意識を切り替えるだけで、ぐっと安全圏に近づけます。
国家試験の全体像や、ほかの科目の対策は国試の完全ガイド(※ピラー記事)からたどれます。自分の弱点に合わせて、一歩ずつ進めていきましょう。
参考文献・出典
- 公益財団法人 柔道整復研修試験財団「柔道整復師国家試験 合格基準・出題区分」
- 厚生労働省「柔道整復師国家試験」関連情報
※本記事は試験制度・公表データに基づく一般的な情報提供を目的としています。合格基準・出題区分の最終確認は、必ず公式(柔道整復研修試験財団・厚生労働省)の最新発表をご参照ください。
監修:セジュツノワ編集部(柔道整復師・柔道整復師専科教員)

