【生理学】が苦手な人へ|“流れ”で覚える3つの勉強法(暗記から理解へ)

【生理学】が苦手な人へ|“流れ”で覚える3つの勉強法(暗記から理解へ)

「生理学、用語を覚えても問題が解けない…」
解剖は“場所”を覚える科目ですが、生理学は“仕組み(はたらき)”を理解する科目。同じ覚え方では空回りします。

生理学の正体は、ひとことで言えば 「体を一定に保つ調節(恒常性)の科目」。だから、用語をバラバラに暗記するより、“なぜそうなるか”の流れでつなぐと、ぐっと解きやすくなります。この記事では、生理を「暗記」から「理解」に変えるセジュツノワ式の3原則を紹介します。

この記事は国試の完全ガイド(※ピラー記事)の科目別シリーズです。位置で覚える解剖学の勉強法とは“逆の発想”なので、あわせて読むと違いがわかります。


目次

生理学の勉強の基本の型 ― 全体像→仕組み(具体)→要するに(抽象)

生理学でつまずく人の多くは、単元の全体像をつかまないまま、いきなり細部を覚えようとしています。1つの単元を勉強するときは、次の3ステップを意識してください。

  1. 全体像を把握する:「この単元は、体の何を・どう調節する話か」をひとことで押さえる(例:内分泌=ホルモンで体内環境を整える仕組み)
  2. 仕組み・流れを理解する(具体):どの器官が・何を感知して・どう反応するか、を因果の流れで追う(このあとの原則①〜③は、このステップを深めるコツです)
  3. 「要するに」でまとめる(抽象):理解した流れを、最後に一言で言い換える(例:要するに、増えすぎたら減らす・減りすぎたら増やす調整装置)

「全体像→具体→抽象」の往復は、1単元の理解を深める型です。ただしこの型だけでは得点力には直結しません。理解を得点力に変えるには、後述の「仕上げ」(覚える・想起する工程)までワンセットで行う必要があります。


原則①:流れ(メカニズム)で覚える ― 生理の根っこは「フィードバック」

生理学の中心テーマは、恒常性(ホメオスタシス)=体内を一定に保つしくみです。その主役がフィードバック調節

たとえば血糖値:

血糖が上がる → すい臓(ランゲルハンス島)がインスリンを出す → 細胞が糖を取り込む/肝臓に蓄える → 血糖が下がる → 血糖が下がったことが刺激となりインスリン分泌も減る(下げすぎない)

このように「Aが起きたから、次にBが起きる」と因果の鎖でつなぐのが生理の覚え方。バラバラの単語ではなく、1本のストーリーにすると忘れにくくなります。

💡 多くの調節は 「増えすぎ・減りすぎを引き戻す」負のフィードバック。「正常からズレたら、元に戻す力が働く」と考えると、初見の仕組みも推理できます。

※ただし正のフィードバック(出産時のオキシトシン、排卵直前のLHサージ、血液凝固など“逆に増幅する”しくみ)という例外もあり、国試で狙われやすいポイントです。

✏️ ストーリーは「フロー図」に書くと定着します。 「Aが増える→Bが分泌→Cが起こる→Aが戻る」のように、矢印でつなぎながら自分の手で描くと、文章を目で追うより流れが記憶に残ります。生理学はストーリーで理解する科目だからこそ、まずはフロー図で流れをつかみましょう。


原則②:拮抗ペア・対比で覚える

生理は“逆向きのペア”が驚くほど多い科目です。片方を覚えれば、もう片方は「反対」で出せます。

  • 交感神経 ⇔ 副交感神経(戦う/休む)→自律神経の覚え方
  • インスリン ⇔ グルカゴン(血糖↓/↑)
  • カルシトニン ⇔ パラソルモン(上皮小体/副甲状腺)(血中Ca↓/↑)→ホルモンの覚え方

「片方を覚えれば、相方は“逆向き”から思い出せる」——覚える負担をぐっと減らせます。


原則③:グラフ・図で“動き”を見る

生理学は、グラフや図で「時間とともにどう変化するか」を問う科目(活動電位、心電図、フィードバックループ など)。

  • 文章で覚えるより、自分でグラフをなぞって描くと、変化の流れが体に入ります
  • 「縦軸・横軸が何か」「どこで上がり・下がるか」を言葉にできるかチェック

図は解剖学の勉強法と同じく“描いて思い出す”が有効。眺めるだけにしないのがコツです。


🧭 つながりで覚える(科目横断)

生理学は、他科目の“なぜ動くのか”を説明する科目です。

  • 解剖(構造)→ 生理(はたらき):たとえば「すい臓のランゲルハンス島」(解剖)から「インスリン分泌」(生理)へ
  • 生理 → 一般臨床医学:恒常性が崩れた状態が、病態・症状につながる

“構造(解剖)と働き(生理)をセットで”見ると、どちらも記憶に残ります。


仕上げ:理解できても、最後は「覚える」工程が必要

理解は生理学の得点力の土台ですが、理解=得点ではありません。国試本番で問われるのは「その場で思い出せるか」。仕組みを理解したら、最後に必ず覚える工程を挟みましょう。

  • 仕組みを何も見ずに説明・図示できるかを試す(想起練習)
  • 間隔をあけて復習する(→科学的に効く勉強法の分散学習・想起練習)

「理解できたから大丈夫」で止まらず、理解 → 覚える(想起・反復) まで一気通貫でやり切るのが、生理学を得点に変える最後の一手間です。


まとめ

  • 生理学は「恒常性を保つ調節(仕組み)」の科目。暗記より流れ(因果)で理解する
  • 勉強の型は 全体像 → 仕組み・流れ(具体) → 要するに(抽象) の往復
  • 仕組みを理解するコツは ①流れ(フィードバック)をフロー図で描く/②拮抗ペア/③グラフで時間変化を見る の3原則
  • 多くの調節は負のフィードバック=「正常からのズレを引き戻す」
  • 理解できても、最後は「覚える」工程が必要。思い出す・描くで定着させる(→科学的に効く勉強法

生理は、流れをつかむほど「丸暗記」から「考えて解く」に近づけます。まずは1つの仕組みを、ストーリーで説明できるようにしてみましょう。

関連:自律神経の覚え方ホルモンの覚え方免疫のしくみと覚え方(いずれも“調節”の代表)。


参考文献・出典

  • 柔道整復師養成課程で用いる生理学の教科書(恒常性/負・正のフィードバック等の基本概念を照合)
  • ※本記事の学習法は一般的な学習研究(想起練習・分散学習)に基づきます。詳細と文献は科学的に効く勉強法に記載。

※本記事は柔道整復師国家試験の学習を目的とした一般的な情報提供です。生理学的事実の最終確認は、在籍校で使用する教科書を最優先にしてください。

監修:セジュツノワ編集部(柔道整復師・柔道整復師専科教員)

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この記事を書いた人

moriのアバター mori 柔道整復師/柔道整復師専科教員/NSCA-CPT

柔道整復師養成校で教員として、解剖学・生理学・柔道整復学・国家試験対策を担当。学生が「覚えられない」「つながらない」と感じやすい内容を、できるだけ噛み砕いて整理することを大切にしています。柔道整復師養成校で教員として8年間勤務。国家試験対策、生理学や解剖学などの基礎医学の理解支援、学生指導に携わる。

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